顧客からの要望は必ず背景を聞こう。
技術スタック ディレクション

顧客からの要望は必ず背景を聞こう。

2023.02.01

国語の問題

ある日、担当ディレクターとして完成したwebサイトのお客様から以下の様な連絡をもらいました。

サイトにアクセスカウンターを設置したいのですが、可能でしょうか?

実際のメールはもう少しいろいろありましたが、要望は上記の通りでした。

アクセスカウンターというと懐かしいやつです。サイトの下部にあって訪問者数を記録して、キリ番だと嬉しいあれです。しかし開発者的には結構面倒です。ユーザーのリクエスト数をDBなりファイルなりで保存して、都度それを表示しないといけません。

さらにいうとそのサイトは「静的サイト」(正確にはHTMLを出力している)であるため、アクセスカウンターの様な動的な機能の実装が非常に面倒でした。

あれこれ考えていましたが、ひとまず先方に電話を入れて確認をしました。そこで上記のメールではなかった「なぜアクセスカウンターをつけたいのか」という背景について聞いたところ、先方は「サイトの訪問者数を知りたい」と答えました。

この場合、サイトにはGoogle Analyticsが入っているためページごとの細かい閲覧数などを確認できる旨を伝えたところ、先方は満足して今回の要望はクローズしました。

ここで気をつけたいこと

このことで気をつけたいことは「顧客から要望をもらった時、その背景や理由については必ず把握しましょう」ということです。先方からもらったメールには「要望=アクセスカウンターを設置したい」ということのみが書かれており、「なぜアクセスカウンターを設置するに至ったのかの理由」がありませんでした。

また自分はアクセスカウンターと聞いた瞬間、静的サイトなのでどうやって実装しようかと考え込み始めました。(悪い癖) しかし先方の真意は「サイトの訪問者数を把握する」という「データとして利用するためのアクセスカウンターの設置」であり「コンテンツとしてのアクセスカウンターの設置」ではありません。しかし自分は過去の経験やITにいる立場上、後者として認識していまい見事にお客様と認識のずれが発生しました。

よくよく見て理由がないことに気づいて、電話で詳細に聞いたため今回は特に問題ありませんでした。

顧客は要望しか言わない

お客様から来る要望は上記の様に背景や理由が抜けていることが多いです。 しかしこれは、お客様は開発者でないため専門的な知見や知識がないため仕方ありません。または上手く言語化して伝えられないということもあります。ここをうまく読み取るのが開発者やディレクターの仕事です。

実際の業務や要望を実現するにあたり、開発者は顧客からの要望の背景と理由を確認する様にしましょう。素晴らしいお客様は最初から理由をつけて話してくれることもありますが、大体はすっぽ抜けています。理由や背景を確認することで、開発者と顧客の認識のズレをなくすとともにより有効的な解決策や提案に発展することが多いです。

文字通りの内容でなく、きちんと要望や要求に対してはその背景と理由を尋ねて認識を合わせる様にしましょう。

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